早期退職したおじさんが起業して未経験で不動産の世界に飛び込みます。
そこで経験する悲喜こもごもとは。。。
ハローワークに行きました。失業給付を受給できるのでしょうか。
8月半ば。世の中は夏休みの真っ只中という頃、ハローワークに行きました。
管轄はハローワーク渋谷ですが、これが駅からけっこうあります。
歩いて10分弱。午前の早めの時間帯でしたけど、到着したらもう汗だくです。
なぜハローワークに行ったのか
なぜ、ハローワークに行ったのか。
それは失業給付をもらえるかどうか知りたかったからです。
失業給付は失職した人が次の職をさがす間の生活を支援するために支給されるお金です。
雇用保険という制度に基づいていて、失業手当や失業保険とも呼ばれますが、
正式には基本手当というようです。ここでは失業給付と書きますね。
失業給付を受給するためにはまず、次の条件が必要です。
・雇用保険に加入して、失職までの2年間に12ヵ月以上保険料を支払っている
・仕事に就こうとしている=求職中である
(失職の理由が自己都合かそれ以外かで条件はかなり異なります。
ボクが自己都合退職なので、ここでは自己都合退職の場合で書いています)
サラリーマンをしていたので、雇用保険には加入していました。
保険料は給与から天引きです。知らぬ間に(?)ずっーと支払っていたわけです。
辞める前、最後の給与明細を見ると5,600円ほど引かれていました。
前の会社に在職した33年間でいったいいくら支払ったのか。
正確にはわかりませんが、総計だと百万円を超えているかもしれません。
こうした保険料を原資にして、仕事を探している方に給付されているんですね。
これまで多額の保険料を支払っていたわけですから、もらえるものはもらいたい。
そう思ったわけです。
受給資格があるのか知りたいだけなのに
会社は設立したものの、まだ営業していないので売り上げはありません。無収入です。
もし失業給付を受けられれば助かります。
とはいえ、厳密にいうと職を探しているわけではありません。
そんな状況で失業給付を受給する資格はあるのでしょうか。
ハロワークのサイトなどネットでも調べてみました。
起業準備中でも受給できる場合があるようですが、よくわかりませんでした。
前の会社から離職票が届いたので、いいタイミングです。
猛暑の中がんばって、ハローワークに行ってみることにしました。
まずは総合受付を訪ねます。
「受給資格があるか知りたい」と伝えたのですが、案内されたのは求職登録の窓口でした。
それもシニア専用窓口。55歳以上だとこちらになるようです。
しかたないのですが、ちょっとショックでしたw
その窓口でも「受給資格があるかだけ知りたいのですが」と伝えますが、
「ルールですから」ということで、あくまで求職者としての登録作業が淡々と始まりました。
離職票を提出して、希望の職種や業務内容、給与額、勤務地など一通り登録していきます。
失業給付は職を探している人を支援する制度なので、
求職活動をしているということが必須となるのですね。それはそうです。
ちなみに離職票は印字がめちゃくちゃ小さいです。
A4で普通はキツキツで2ページありそうな書類をむりやり1枚に納めているイメージです。
「よくそんな小さな字、読めますね」と思わず聞いてしまいましたが、
「まあ慣れていますので(苦笑)」とのことでした。
登録が済んだので、次にようやく失業給付申請の窓口にたどり着きました。
夏休み真っ只中なのですが、待合のイスにはびっしり人が座っています。
ただ申請の窓口は空いていて、すぐに対応してもらいました。
「受給資格があるか知りたいのですが」と伝えます。3回目です。
すると窓口の方が「大丈夫ですよ。資格ありますよ」。と、あっさりしたものです。
あまり状況も確認せずに本当に大丈夫なのかなと、こちらはむしろ心配になりました。
12項目のチェックをしてみると
そこで渡されたのが「受給資格決定に係る申出書」というチェックシートでした。
12のチェック項目がありました。「はい」か「いいえ」に○をしていきます。
1.退職後、何か仕事をしましたか?
→いいえ
2.きょう仕事をする予定はありますか?
→いいえ
3.内定をもらっている会社はありますか?
→いいえ
失業状態にあることを確認されているようです。ここまでは問題ありません。
4.就職することを希望していますか?
→はい
会社を設立しているので答え方が難しいのですが、
職を探している人が対象の制度ですから答えは「はい」です。
5.就職することが可能な状態ですか?
→はい(健康かどうかということです)
6.解雇無効で提訴していますか?
→いいえ(係争中だと受給できないのでしょうか)
7. 自営業の準備や事業をしていますか?
→はい(そうです。まさにこの状況です)
この次から雲行きが怪しくなってきました。
8.公認会計士・税理士・社会保険労務士等の登録をしていますか?
→はい
いわゆる「士業」は受給条件が厳しいようです。
士業の登録をしていても事務所を開設していなければ、受給できる場合があるそうです。
事務所を開設していると「職がある」とみなされるということでしょうか。
宅地建物取引士(宅建士)もこの対象になるのか、一応、窓口の方に確認しました。
宅建士も士業の扱いになるそうです。
事務所の開設準備中だと伝えると、「まだ準備中なら大丈夫です」とのこと。セーフ。
最難の関門がありました
ところが次で引っかかりました。
9.会社の代表や役員・監査役になっていますか?
→はい
会社の役員等になっていると「失業状態とはいえない」とのことで、
たとえ休眠会社であっても失業給付は受けられないルールだそうです。
代表取締役をしていると伝えると、
「ああ、ダメですね。受給できません。さっきは受給資格があると言っちゃってすいません」
そうですか。そうですよね。やっぱりダメですか。
ただこの役員NGルールは代表取締役だけが厳しいようです。
代表取締役以外の役員等であれば、受給される可能性もあるとのことで、
そのためには、報酬がないなど会社の実情を証明する書類が必要とのことです。
ということは、代表取締役をいったん降りれば受給できるということになります。
そんな策も浮かびましたが、それはしませんでした。なぜか。詳細はのちほど。
ちなみに残りのチェック3項目は、
10.傷病手当金や労災休業補償給付金等の支給申請をしているか?
11.昼間の学校・職業訓練校に在学中か?
12.障害者手帳を所持しているか? です。
ということで、失業給付の受給資格「なし」ということがわかりました。
ようやくハローワークに来た目的が果たせました。
ちょっと残念で、ちょっと達成感がありました。
もしも受給されたなら、いくらもらえるの
時間に余裕があったのか、受給できた場合のことを
窓口の方がいろいろと教えてくれました。
まず日程についてです。
7日間の「待機期間」の後、雇用保険説明会を受ける。その際に「失業認定日」が決まる。
「認定日」は4週ごとにやってきて、その日はハローワークで失業認定を受ける。
ただし自己都合退職だと支給開始までの「給付制限」がある。支給は150日分。とのことでした。
ボクの場合だと、支給開始は12月初めごろで、最初の振り込みは12月末。
支給日数は150日なので、来年4月末ごろまで失業給付を受けられることになります。
支給額も教えてくれました。150日分の総額で約130万円。
4週ごとの支給なので、1回あたりは約24万円とのことでした。
つまり月額24万円で5ヵ月分という感じですね。んーー。
後から調べてみると、7日間の「待機期間」とは、
仕事をしていない状況を確認する期間とのことです。
2ヵ月の「給付制限」というのは、自己都合退職の場合のルールです。
「自分の都合で辞めたのだから、次の就職の当てがあるんでしょ。
そうであれば失業給付はいらないよね。でもうまくいかなくて
2ヵ月たっても職が見つからないとさすがに困るよね」といった意味あいでしょうか。
4週ごとの「認定日」にはハローワークで失業の認定を受けなければなりません。
失業の認定を受けるためには月2回の求職活動、
つまりハローワークの窓口などで職探しをした実績が必要となります。
ちなみに満席の待合のイスに座っている人たちは、
この認定日のチェックを受けに来ている人たちだそうです。
いろいろな意味でシビアな制度ですね。
受給するか、仕事するか
さて、ここが考えどころです。
失業給付を受給するには代表取締役をいったん降りなければなりません。
妻に代わってもらうとかお願いすればできそうです。
来年4月までの8ヵ月間ほど代わってもらうという策です。
しかし、その成果として得られるのは月額24万円✖️5ヵ月で約130万円。
10月に免許が出て営業可能になっても仕事をすることができません。
なぜなら「失業して職を探している人」が受給できるお金だからです。
免許が出ても来年5月まで仕事ができない。
しかもその間(約8ヵ月)にもらえるのは約130万円。
まあ営業を始めてたとしてもすぐには稼げませんから、
もらえるものならもらったほうがいいのかもしれません。
でもそれはなんだかムダな時間な気がします。
むしろ4月までに130万円以上稼げばいいのではないか!
そう思うことにしました。
そうです、売上目標も決まりました。最初の半年で130万円。
かなり厳しそうですけど。。。やるしかないですね。
雇用保険は掛け捨てでいい
そんなことを考えながらハローワークを後にしました。
失業給付を受給しないということは、
これまで支払ってきた雇用保険料が掛け捨てになるようなものです。
でも掛け捨てでいいんです。
これからも失業給付を受給することがないようにがんばっていこう!
そう思いを新たにしました。