司法書士さんに依頼する

開業まで

早期退職したおじさんが起業して未経験で不動産の世界に飛び込みます。
そこで経験する悲喜こもごもとは。。。
ネットで調べると株式会社の設立は司法書士さんに頼むのがいいみたいです。


会社名が決まったので、会社設立を進めます。
起業の本を読んだり、ネットで調べたりします。
定款(ていかん)という会社のルールをつくって、
法人登記をすれば設立ということになるようです。

手続きが煩雑なので専門家、つまり司法書士に依頼するとよい。
ということがわかってきました。

司法書士さんに頼むわけ

知り合いで一人で手続きをしたという人もいたのですが、
定款の例をみてみるとまるで法律の条文です。
一人でつくる自信がまったく出てきません。
他の書類はなんとかなりそうですが、定款はかなりたいへんそうです。

お金はかかるようですが、司法書士さんに依頼することにします。

司法書士さんに依頼することを決めた理由はもう一つあります。
それは不動産屋として司法書士さんと知り合いになることはメリットがあると思ったからです。

不動産の売買契約の際、所有権の移転登記等で必ず司法書士さんにお世話になるらしいです。
ならば知り合うのは必要と考えました。

ところが後になって知るのですが、
売買契約の際は住宅ローンを融資する金融機関が司法書士さんを連れてくるとのこと。
あれ?ボクが知り合いになっている必要はない?
でもきっと、司法書士さんと知り合うメリットはあるはずです。たぶん。

司法書士さんを探す

さてさて、司法書士さんてどうやって見つけるのでしょう。

これまで出会った司法書士さんといえば、
20数年前に自宅を購入した際に登記してくれた司法書士さんぐらいです。
司法書士さんにお世話になったのはその時ぐらいです。
もちろん名前も連絡先も覚えていません。

そういえば大学時代の友人で一人いますが、
関西で開業しているので東京からはちょっと遠いですね。

やはりネットで探すしかなさそうです。
「目黒区、司法書士」で検索すると、大勢いらっしゃいます。
結局、自宅から近くて大きめの事務所があったので、
まずはそこに聞いてみることにします。

5月中旬のある日、さっそく電話をかけてみます。
会社設立を担当しているという司法書士の方に代わっていただきました。

すると、詳細は省きますが想定外に軽いノリでびっくりしましたw
こちらは会社をつくるのは初めてです。
いろいろとお聞きしてからじっくり考えて依頼したいと考えていたのですが、
「大丈夫ですよ」
「申し込み用紙をお送りするので、必要事項を記入してください」
「資本金はいくらですか」
と、慣れているのでしょう。話がどんどん進んでいってしまいます。
司法書士さんてみなさんこんな感じなんでしょうかw

ちょっと待ってくださいと、いったん話を止めて、
「まだそちらに依頼すると決めたわけではありませんし、
 料金がいくらぐらいかかるかも聞いていません。
 そちらにお伺いして一度お話をお聞きしてから考えてもいいですか」と伝えます。
「え、そうですか?」との反応でしたが、お会いすることにしました。

翌日、家から歩いて15分ぐらいの司法書士さんの事務所に向かいました。
他を探すのも面倒ですし、大きそうな事務所なのでまあいいかと、
そこにお願いする気持ちにはなっていました。

実際にお会いすると、さすがは司法書士さんです。
きちんとした方でした。
手際よく説明していただき、依頼することにしました。

お金のこと

申請から設立までは早ければ2日ほどでできるそうです。
そんなに急いでもいないので、通常のペースで進めてもらうことにします。

A4で1枚の申込用紙に必要事項を記入します。
その情報をもとに定款をつくってくれるとのことです。

あとは、資本金や会社印が必要です。
司法書士さんに「うちで会社印もつくれますよ」と提案されましたが、
けっこうなお値段だったので、丁重にお断りしましたw

料金の見積書ももらいました。
行政手続きの費用として約20万円(登記料15万円、定款認証約5万円など)
司法書士の手数料などで約10万円
合わせて30万円ほどです。

ちなみに自分でやるとしても行政費用はそのままかかりますし、
さらに印紙代で4万円かかるので、交通費や証明書代などを入れると合計約25万円。
差額が5万円ほどなら司法書士さんにお願いするのはありだと思います。

印紙代の4万円ですが、司法書士さんは定款を電子申請するので、
印紙代がかからないのだそうです。
印紙代の節約のため、自分で電子申請するのもできないことはないようですが、
電子印鑑のソフトを買ったりと結局ほかの費用がかかりそうです。

何より定款の難しそうな内容を考えるのもたいへんですし、
定款認証で公証役場へ行ったり、会社登記で法務局へ行ったりする手間もかかります。
自分で手続きをするのはどう考えても面倒です。
お金が見合うと思えば、こうした手間を省くのは十分ありな判断だと思います。

定款の中身をどうする

依頼から3日ほどで定款ができました。
メールで送られてきた定款をチェックします。

起業の本では事業の目的は
「とにかくできるだけ書いておいたほうがいい」としているものが多いのですが、
不動産屋の場合だと飲食業や物品販売など本業以外を書くと
金融機関が「この会社が本当にしたいことは何のか」と不審に思って
融資の際に不利になることもあるようです。

なので、事業の目的は不動産業に関することと、
ファイナンシャル・プランナー業務にしぼることにしました。

定款で難しいなと思ったことは株式会社としてのルールに関することです。
会社法の規則で決めていくのですが、もちろん詳しくありません。
このあたりは専門家の手を借りないとどうしようもないなと感じました。

株式会社なので、取締役をどうするかとか出資者をどうするかとか
実はいろいろと面倒なことがあるのですが、
なんといっても一人起業ですからその点は楽です。
自分で全額出資して一人株主になって、経営も自分でやります。
書類をそろえるのも簡単でした。

ちなみに以後のやりとりはすべてメールと郵便です。
司法書士さんにお会いすることはもうありませんでした。

資本金をいくらにするか

続いては資本金です。
もちろん多ければ多いほど会社の信用力が高いということになります。

東京都の宅建免許業者で登録が新しそうな業者さんを調べてみると、
1,000万円を超えている業者さんもいらっしゃいますが、
多くは500万円ほど。中には300万円や100万円の業者さんも。
ちょっと親近感がわいてきましたw

手元資金と家のやりくりのバランスなどを考えて300万円にしました。
信用力がかなり心配です。本当に心配です。
が、まあ一人起業ですし、すぐに会社が大きくなるわけでもないので、
これでスタートします。

この資本金を準備したという証拠を示すために
銀行口座に振り込んで通帳に記帳し、そのコピーを用意しなければなりません。

通帳記入できない

困ったことが起きました。銀行の通帳に記帳できないのです。
ここ数年、銀行口座の振り込みなどはオンラインでやっていたので、
そもそも銀行にはATMで現金をおろしに行くだけでした。

窓口で聞いてみると「オンライン用の口座になっているので、
通帳用の口座にしてください」とのこと。
通帳用の口座に戻す手続きをして、ようやく記帳できました。

このご時世、本当に銀行通帳の入金記録のコピーが必要なのでしょうか。
念のため司法書士さんに聞いてみると、オンライン口座の記録でも問題ないとのこと。
早く教えてよ。。

あとは個人と会社の印鑑証明書など必要書類を用意します。
それをゆうパックで送れば、司法書士さんが法務局に申請してくれます。
  →会社印をどうゲットしたかについては別の記事で書きます。

会社設立日はどう決まるか

法務局への申請の日が会社設立日になります。
そうなんです。法務局がOKを出した日ではなく、申請した日が会社設立日なんです。

そんなに急いではいなかったのですが、
準備がどんどん進みましたので、5月最後の大安の日に申請してもらいました。

6月になってすぐ、書類が届きました。
登記完了。「株式会社ヴェルダント」の誕生です。

定款や履歴事項全部証明書(登記謄本みたいなもの)を確認します。
感慨深いです。

ついに会社ができました。
東京都に宅建免許を申請すれば60日ほどで開業できる。
いよいよです。
その時はそう思っていました。あの落とし穴にまだ気づかずに。。。


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