自宅を事務所にできるのか

開業まで

早期退職したおじさんが起業して未経験で不動産の世界に飛び込みます。
そこで経験する悲喜こもごもとは。。。
開業費用を抑えたい。自宅を事務所にできるといいのですが。


最近の事務所事情

不動産屋の開業には事務所が必要です。
宅建業法で決まっています。

先日参加した「開業支援セミナー」でも説明を受けました。
   →詳しくはこちらの記事 「開業セミナーに行ってみた」

不動産屋というと駅前に店舗があって物件情報の紙がいっぱい貼ってある。
そんなイメージです。

が、どうも最近は状況が変わっているようです。
ネットでの物件検索が一般化したことから
店舗を直接訪れるお客さんは減っているとのことで、
いわゆる不動産屋の店舗を持たずに開業する人が増えているらしいです。

ではどうするのか。
路面店舗ではなくビルの2階以上に小さめの物件を借りたり、
さらにはベンチャー起業のようなシェアオフィスを借りたりといったケースが
起業時は増えているとのことでした。

中には自宅の一室を事務所にするケースもあるようです。
ただ自宅を利用する場合には原則「住宅の出入口以外の事務所専用の出入口」が必要で、
それはさすがにハードルが高いです。

マンションではまず無理ですし、
戸建てだとしても改築工事をする必要があります。

とはいえ、どこか物件を借りるとなるとけっこう費用がかかります。
一人開業だし最初はお客さんもそんなには来ないでしょうから、
家賃10万円程度の狭い物件を借りるとしましょう。
それでも入居時に敷金もろもろに加えてデスクなどを揃えたとして50〜60万円はかかりそうです。
さらに業者免許をもらうまでの数ヶ月分の家賃も必要となります。

となると、やはり自宅の一室を事務所にできるといいなあということになります。
開業セミナーの説明の後は、どこかの小さな物件を借りるかという気になっていたのですが、
やはり開業費用を抑えたい。なんとかならないかなと悩みはじめていました。

そんな時、東京都の宅建免許申請の手引を読んでいると、こんな文章がありました。
「事務所専用の出入口がない場合は、玄関から事務所に他の部屋を通らずに行けること」

あれ、これってひょっとしたらワンチャンあるかもしれない。
と、気付きました。

自宅を事務所にするには

実はボクの自宅は戸建てなのですが、
ボクが使っている部屋は1階にあり玄関から廊下で一本です。他の部屋は通りません。

他にも条件としては、こんなのがあります。
・他の部屋にも事務所を通らずに行ける
・他の部屋とは壁で間仕切りされている
・内部が事務所としての形態を整えており、事務所の用途だけに使用している
なんかいけそうな気がしてきました。

家族にも意見を聞いてみると、
「借りたらもったいないし、最初はあなたの部屋でいいんじゃないの」と、けっこう協力的です。

まずは相談

一人で考えていてもわからないので、
先日のセミナーで知った宅建協会の「開業支援センター」で相談してみることにしました。

西新宿の高層ビル、新宿モノリスの29階。
ゴールデンウィークが明けてすぐ、訪ねてみました。

自宅の間取り図を書いて「どうでしょうか?」と聞くと、
「大丈夫だと思いますよ。最近は自宅で開業する人がけっこういますし」とのこと。
なんだか自信がついてきました。

他にもいくつか注意点がありました。
・固定電話は必ず設置
  →光ネットを引いているので電話サービスを追加すればいけそう
・FAXはなくても最近は大丈夫らしい
  →電話付きの複合機がまだ使えるはずなので、対応はできそう
・応接セット
  →会議用テーブルとイスを買います
・執務用の机
  →今使っているPC用デスクでいけそう
これらは「継続的に業務を行うことができる施設を有する場所」が
宅建業法で必要とされているためで、その具体的な備品とされています。

ただ免許をだすのは東京都(ボクの場合)なので、
東京都に聞いてみるのが確実とのことでした。
それはそうですね。

都庁に向かいます

ということで翌日、ついに都庁に向かいました。
東京都住宅政策本部民間住宅部不動産業課。
東京都庁第二庁舎の3階です。
宅建取引士証の交付を初めに受けて以来、約5年ぶりの訪問です。

不動産業課の部屋に入り、受付番号をもらってイスで待ちます。
ほどなく呼ばれました。
相談したいことがあると告げると、申請カウンターではなく、
小ぶりの作業台のようなところに案内されました。

間取り図を出して、
「一人で開業したいのですが、自宅を事務所にできるでしょうか?」と聞いてみます。
今回はエクセルでちゃんとつくってきた1階と2階の間取り図です。

いつくか質問を受けます。
「階段で2階へ上がると、2階の部屋にはそれぞれドアがついていますか?」
「ついています」
「3階の間取り図がありませんが、3階はどうなっていますか」
「部屋にドアはついています。2階の部屋を通らないと3階には行けないです」
どうやら、事務所が他の部屋と独立しているかどうかをチェックされているようです。

前日に開業支援センターで聞かれた電話や応接セットについてもチェックされました。
やりとりは正味3分ほどでした。すると、
「わかりました。では申請の時には3階の間取り図もつけてください」

お!ということは、OKということでしょうか!念のため確認します。
「事務所はこの部屋でよいということでしょうか?」
「はい。申請の時は写真も撮ってきてください」

まとめ

ちょっとあっけない感じですが、自宅を事務所にすることが決定しました。

・開業コストを抑えられるのが最大のメリットだと思います。
・最近の一人開業では自宅を事務所にするケースも多いようです。
・以前に比べるとハードルも下がっているような感じがしました。
・申請前に相談するといいと思います。

ということで自分の部屋を事務所に改造するミッションがスタートします。


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