法人口座を開設しました

開業まで

早期退職したおじさんが起業して未経験で不動産の世界に飛び込みます。
そこで経験する悲喜こもごもとは。。。
ようやく法人の銀行口座を開設。トラウマを乗り越えました。


法人の銀行口座開設については悲しい出来事がありました。

アドバイスに従ったはずが

まだ会社員だった頃にある起業本を読んでいると、
「法人の銀行口座開設はたいへんです。起業したてだとメガバンクではまず無理。
小さな会社に優しいのは地元の信金です。まずは地元の信金で個人口座をつくりましょう。
そして関係性を構築します。そのつながりで、起業したてでも法人口座をつくれます」
という記載がありました。

「なるほど」と思い、さっそく地元の信金を訪ねました。2月ごろでした。
窓口で「個人口座をつくりたい」と伝えると、
奥の方に案内され、なぜか相談用スペースに通されました。

40代ぐらいの職員さんが出てきて、
「なぜ口座をつくりたいのですか?」と聞かれました。

「個人口座をつくりたいだけなんですけど」と答えたのですが、
しつこく理由を聞かれます。

それはトラウマ級

たしかにいきなり個人口座をと言っても無理がありますよね。
嘘をつく理由もないので、正直に話してみました。
「実は起業を考えていて、信金さんとつながりがほしかったんです。」

すると、どのような起業なのか、そして今はどこに勤めているのかなど
信じられないほど細かくこちらの情報を問いただされました。
「あの、個人口座をつくりたいだけなんですけど」と、
途中何回も言ってみますが相手にされません。

情報を収集した職員さんは、いったんバックに戻ります。
どうやら上役の方と相談しているようです。
戻ってくると、さらに細かく起業について聞かれました。

とはいえ、こちらは当時まだ会社員の身。
起業についてはそれほど詳細を詰めているわけではありません。
「不動産業で、一人起業で、事業計画はこれからで、」などなど。
どうしてもアバウトな回答になってしまいます。

もう一度言ってみます。「個人口座をつくりたいだけなんです。
なんでこんなことまで聞かれないといけないのでしょうか?」

職員さんは「そういうきまりなので」とだけ答えて、
またバックに行きます。上役の方とさらに相談しているようです。

いくつものクエスチョンマーク

戻ってくると、「残念ですが、個人口座はおつくりできません」とのこと。
「え、個人口座ですよ。起業とは関係ないと思うんですけど」
と言ってみてもまったく通じませんでした。
何かをどこかで間違えたのでしょうか。がっかりです。

帰りがけに職員さんになぜこんなに厳しいのか聞いてみると、
「国際的にマネーロンダリング対策が強化されていて、
金融当局からも厳しく指導されています。当金庫では個人口座の開設でも
ご自宅訪問までして確認しているほどです。
起業のことが固まったらまたご相談ください」とのことでした。

本当に自宅確認までしているのか。
ボクが相当怪しいと思われたのか。
起業が具体化しないとなぜ個人口座でさえつくれないのか。
クエスチョンマークはいくつも浮かびますが、どうしようもありません。

またご相談ください」と言われましたが、
この金庫だけは二度と相談にも行くことはないと思いましたw

こんな体験をしてしまったので、法人の銀行口座にはナーバスになっていました。
株式会社を設立してからも銀行口座をどうするかが悩みでした。

きっかけは1本の営業電話

そんな時でした。
8月半ばのある日、ケータイに電話がかかってきました。
「ご口座に大きな入金があったようですが、運用を考えてみませんか?

それは住宅ローンを借りている銀行からの電話でした。
たしかに数日前に退職金が振り込まれていました。
厳密にいうと同じ銀行でも電話をかけてきた支店とは
別の支店の口座に振り込まれたのですが、
その情報が共有されて、金融商品の営業電話がかかってきたことになります。

この銀行はあるメガバンクなのですが、大口入金の情報って共有されちゃうんですね。
ある意味恐ろしいというか不気味というか、銀行ってすごいですね。

普段ならそのような情報共有に嫌味の一つも言って、
金融商品の売り込みについては丁重にお断りするところです。
が、ここでひらめきました。

「ひょっとしたら金融商品を購入することで、
法人口座開設への糸口が見つかるかもしれない」と。
これこそまさに金融機関とのつながりではないでしょうか。

正直に法人口座をつくりたいことを伝えたうえで、
金融商品の話を聞いてみることにしました。

実は最近はどこの大手銀行も法人を扱う支店を限定しています。
電話をかけてきた支店も個人向けの支店でした。
電話をかけてきた銀行マンも個人営業の担当さんだったのですが、
直接、法人口座についても相談に乗ってくれることになりました。
こちらとしてはラッキーです。

隣駅にある支店を訪ねて、まずは金融商品の説明を聞きます。
そしてついに、本命の法人口座の申請もすることができました。

とんとん拍子に進みます

担当さんが口添えをしてくださったのかもしれませんが、
審査もなんとか通りました。
宅建業者の免許が出たら口座が開設できるところまで話が進みました。
いい感じです。

もちろんといいますか、金融商品の方も話は進みましたw
ネット証券と比較するとどう考えても割高ですが、
投資信託を購入することになりました。
合わせて金利の優遇がある定期預金もすることになりました。

結局、退職金の半分ほどを投資することになりました。
とはいえ、普通預金にしておくよりはずっといいので、
よい判断だったと思っています。

そして宅建免許が出た翌週。
法人口座の申し込みが完了しました。
ほどなくして銀行通帳が届きました。ついに口座開設です。

思えば長かった法人口座の開設ですが、
運よくメガバンクでつくることができました。
起業本のアドバイスの地元の信金とはなんだったのでしょうか。

本当の課題はこれから

ただ気を引き締めるのはこれからです。
金融機関とのお付き合いは厳しいものだと思っています。

これから事業が拡大して融資をお願いすることがあるかもしれません。
その時に頼りになるのはどこなのか
そんなことをあらためて考えています。

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