早期退職したおじさんが起業して未経験で不動産の世界に飛び込みます。
そこで経験する悲喜こもごもとは。。。
試験が5問免除になるという講習。それは「修行」でした。
賃貸住宅の管理を行う専門家としての資格に、
「賃貸不動産経営管理士」というものがあります。
業界団体が後押しして、法律も整備されて2020年に「国家資格」になりました。
→詳しくはこちらの記事「不動産の資格」
5問免除はお得か
これから始める不動産業で何かの役に立つと思い、年休消化の長い休みで時間もあったので、
春からこっそりと勉強しています。
年に1回の試験は11月。全50問で4肢択一のマークシート形式です。
その50問のうち5問が免除になる事前講習というものがあります。
これを受講しておくと、試験で解答するマークシートの第46問〜第50問の5問が
マーク済み(正解の回答済み)になっているらしいです。
この講習、2万円弱の受講料と専用テキスト代4,000円がかかります。
テキスト1冊なのですが、その1冊が分厚くて、なんと1000ページもありました。
講習は1日かけて受講するのですが、東京だと何日か設定されていて
都合のよい日を選べるようになっています。
出費は痛いですが、5問も免除されるのであれば合格にかなり近づけるはず、
しかも試験のヤマをそれとなく教えてくれるのかもしれませんw
そんなわけで申し込んでみました。
会場で知ったこと
講習は9月半ばでした。11月の試験までまだまだ日があるので、
せっかくの内容を忘れちゃうじゃんと思いながらも行ってきました。
久しぶりの満員電車で苦痛を味わいながら、9時前に西新宿の会場にたどり着きました。
会場はかなり大きめですが、受講者でぎっしりです。
この日は300人ほど参加とのことでした。
この日も残暑の厳しい日でした。吹き出す汗を抑えながら周りを見渡します。
不動産会社で働く若い人が多いのかと思ったら、意外とボクと同年代の方も多そうです。
いやいや、もっと上の年代の方もけっこういらっしゃいます。
さすがに最近人気の資格だけあって、いろいろな人が受けにきているようです。
まず係の方が全体的な説明をします。
それで初めてわかったのですが、講義はすべて録画した動画を見るだけとのこと!
え、それって今どきリモートでもできますよね。なんでわざわざ会場でやる???
なんか腑に落ちませんが、顔写真で受講者のチェックを随時するということなので、
本人が受講していることを確認するのが重要だということなのでしょう。きっと。
講師のリストを見ると、大学教授に弁護士や建築士とそうそうな肩書が並んでいます。
これは貴重なお話が聞けるに違いない。録画とはいえ。きっと。
時間になり動画の再生が始まります。講師はかなりベテランの方でした。
するとテキストのページを指示して、とうとうとテキストを読み上げ始めました。
テキストの読み上げ。そうです朗読です。朗読の動画です。
「修行」の先にあるもの
一応、重要そうなところを抜き出した文章が画面に表示されるのですが、
それでも、ひたすらその文章を読み上げていきます。
そうして最初の40分。次の80分と時間が過ぎていきました。
講師の方によっては変わるのかと思いきや、ずっと同じです。
テキストの読み上げがひらすら続きました。
会場での食事が禁止されていたので、昼食は持ち込めません。
60分の休憩時間で外にでて、近くで食事をパパッと済ませて戻ります。
午後の講義は変わるかなと淡い期待を。。いえ、ずっと同じでした。
テキストの読み上げが5時まで続きました。
全国の何ヵ所かの会場でもこの講習が開かれているのですが、
同じ動画が使われているんでしょう。効率がいいですね。
最後に「修了証」が配られて、講習は終わりました。
受講者どおしが会話する余裕もなく、淡々と動画を見続ける講習でした。
みなさん無言で帰途についていきます。本当にお疲れさまでした。
テキストの読み上げですが、さすがに1000ページすべてというわけではありません。
重要なポイントをピックアップしていたのだと思います。
眠気に打ち勝つためにも必死にアンダーラインを引きながらテキストを追い続けました。
きっとここが試験のヤマに違いありません。きっとそうです。
5問免除にはこんな「修行」のような経験が必要なのでした。
いろいろな意味で貴重な体験となりました。
試験まで約2ヵ月。がんばります。