終活アドバイザーがFPの視点できる5つのこと

さらに重要度を増す「終活」
終活(しゅうかつ)という言葉が近年、注目を集めています。
終活とは「人生の終わりについて考え、備える活動」のことです。

超高齢化社会の到来や、認知症高齢者の増加などを背景に関心を集める終活ですが、2025年に団塊世代がすべて後期高齢者になるこから、さらに重要度が増していきそうです。
団塊世代(1947年~1949年に生まれた人たち)の出生数は3年間で約806万人と、他の世代と比べても数が突出しています。
その団塊世代の全員が2025年に75歳以上の後期高齢者となります。
出所:厚生労働省「戦後世代の高齢者の増加と高齢者像の変化」
終活アドバイザー✖️FP 5つの視点
「終活アドバイザー」は終活のサポートを専門とする民間の資格です。
「NPO法人ら・し・さ」が運営する「終活アドバイザー協会」が管理運営しています。
終活のツールである「終活ノート(エンディングノート)」を活用しながら、人生の整理や相続の準備、高齢医療や介護への備え、葬儀やお墓の準備などについて具体的かつ納得のいくアドバイスをします。

その終活アドバイザーがFP(ファイナンシャル・プランナー)の視点を持つと、どのようなことができるのか、5つのポイントに絞って具体的に解説していきます。
1.終活ノートの作成支援
終活ノートは自分の思いや希望、そして必要な情報を家族や関係者に伝えるツールです。
しかし実際には、「何をどう書けばいいのかよくわからない」「何から始めればいいのか悩んでしまう」という方が多いようです。
終活アドバイザーは終活ノートの作成をサポートします。
終活ノートには遺言書のような法的な効力はありませんが、終活のさまざまな場面で役立てることができます。
また、いずれ遺言書を作成する場合の下書きや情報整理帳としても利用することができます。
終活ノートに記載する内容は大きく3つに分けられます。
①自分のこと
自分自身に関する情報です。趣味や好き嫌い、これまでの人生、これからの過ごし方などを記入します。
さらに親戚関係や友人のリストや連絡先、また病歴や投薬、かかりつけ医、かかりつけ薬局などの情報も大切です。
②財産のこと
金融機関ごとの預貯金や借入金、保険の加入状況、受け取っている年金の種類や金額、所有する不動産、絵画や宝石などその他の財産についてです。
キャッシュカードの暗証番号は書かないなど注意も必要です。
③終末期や死後のこと
自分らしい最期を迎えるために医療や介護についての希望を書きます。
またお葬式について宗教や場所、形式、規模など。そしてお墓の情報や遺品の整理についてです。
終活アドバイザーは、このような詳細な項目や記入の方法をわかりやすく説明していきます。
FPの視点からは金融資産や不動産資産、保険に関する情報の整理や記載方法について、具体的にアドバイスすることができます。
使いやすい「NPO法人ら・し・さ」の終活ノート「ら・し・さノート」はこちらから。購入も可能です。

2.人生の情報整理とこれからの計画設定
自分のこれまでの人生を振り返り、これからの時間をどのように過ごすか考えることは終活の第一歩です。
終活アドバイザーは、相談者からさまざまな情報をヒアリングして、その情報を上手に整理するお手伝いをします。
FPの視点からはこれからの生活設計や資金計画、相続対策などを含めたライフプランニングを提案することができます。
3.財産の棚卸しと相続の計画
財産の整理(棚卸し)は終活の中でも重要なテーマです。
終活アドバイザーは財産に関して適切なリストアップと整理方法についてアドバイスをします。
またFPの知識を活かして相続税対策や遺産分割のプランニングのサポートをすることができます。
中でも不動産相続はトラブルの原因になりやすい分野です。資産価値が大きい一方で、分割が難しいためです。そのため次のような観点から事前の対策が大切となります。
・不動産の評価と分割案の作成
土地や建物の評価額を把握し、分割案を検討します。
・共有のリスク回避
相続の際に不動産を相続人の共有名義にしてしまうと、その後に続く相続(二次相続、三次相続)でますます権利関係が複雑化してしまうという大きなリスクを抱える可能性があります。
売却したくても、時間や手間が想定外にかかってしまうかもしれません。
そのようなトラブルを防ぐため、単独名義で相続する方法や現金化など有効な対策を提案します。
・不動産を活用する節税
小規模宅地等の特例など不動産には相続税を軽減する制度があります。また事前に贈与することで利用できる贈与税の非課税措置もあり、税の負担を分散させる方法も検討します。相続税や贈与税の対策に関しては税理士など専門家と連携して対応します。
(贈与是の非課税措置については下記の用語をご参照ください)
こうした対応を通じて、FPの視点を持つ終活アドバイザーは不動産相続での経済的・心理的負担を軽減し、より円滑な相続を進めるお手伝いをします。
4.医療・介護の道案内
終活の中で避けて通れないのが、医療や介護に関することです。
終活アドバイザーは医療制度や介護制度、介護サービス、後見制度などについての情報提供を行い、適切な選択のサポートをします。FPの視点からは介護費用や医療費の見積もりを行い、プランニングを支援します。
5.葬儀やお墓の準備
人生の最期について考え、準備することも終活では大切な要素です。
終活アドバイザーは、葬儀の形式や費用、お墓のことなどについても情報を提供します。
さまざまなご希望があるなかで、そのご希望にふさわしい対応策をサポートします。
またFPの観点からは葬儀費用の準備方法や、保険商品の活用法などについてもアドバイスすることができます。
終活アドバイザー✖️FPは心強い味方
終活アドバイザーがFPの視点を持つことで、できることは広がりと深さを持ちます。
相談者に寄り添う感情面だけではなく、ライフプランニングを含めた経済面も併せて包括的な支援が可能になります。
相談者はより安心して人生の最期を考え、準備をすすめることができるでしょう。

終活は一人で進めるのはなかなかたいへんと感じる方も多いと思います。
終活アドバイザーがFPの視点を持ってサポートすることで、心強い味方になることができます。
ヴェルダントでは終活アドバイザーとFPの資格を持つ担当者が、お客様のご対応をさせていただきます。
まずは無料の相談会に参加されてみてはいかがでしょうか。
お話をしてみることで、これまで見えていなかった課題が見つかることもあります。